レアストーン

貴石や半貴石の中でも特に希少な宝石、知る人ぞ知る宝石をご紹介いたします。

これを知っていれば宝石マニア。

貴石の中でも特に希少色であったり、半貴石の中でも特に産出量が少なかったり、産地が限定された珍しい宝石がございます。それらは時にはダイヤモンドを凌ぐお値段で取引される場合がございます。

「なぜこんな色が？」「本当に天然？」と思ってしまうような宝石から、皆さんよくご存じの宝石の中に「こんな色もあるの！」と驚く宝石まで、宝石好きの鑑定士がしっかりと拝見いたします。

パライバトルマリン

トルマリンの中でも別格の評価を受け、銅に起因する青緑のネオンカラーは、ブラジルの限られた地域（パライバ州とその近郊）でしか産出されず、現在は枯渇したとも噂されます。近年はアフリカでも産出されますが、加熱により美しい色を出すため、アフリカ産の評価は高くありません。
パパラチアサファイア

ピンクとオレンジの中間の色合いのものが「パパラチア」と呼ばれ、産出量は少ないです。ただ、ピンク味が強くでもオレンジ味が強くてもパパラチアとは呼ばれません。「パパラチア」はスリランカのシンハリ語で「蓮の花」を意味し、スリランカで産出されます。
インペリアルトパーズ

含有成分中の水酸基（OH）とフッ素（F）の量によりOHタイプとFタイプに分類され、オレンジイエロー～赤みのあるオレンジ色のOHタイプは大変希少で、産地のブラジルに在位したペドロ皇帝のインペリアルを冠し、「インペリアルトパーズ」と呼ばれています。中でも赤みの強いものほど評価は高くなります。
レッドベリル

マンガンを含有することにより気品のある独特な赤い色になる「レッドベリル」です。米国ユタ州などで希に産出していましたが、現在は閉山し、かつて産したもののみが取引されています。大粒が採れなかった為、元々市場に出ることはめったになく、大変希少。エメラルドと同じベリルの為、「レッドエメラルド」や「ビックスバイト」とも呼ばれています。
デマントイドガーネット

ロシアのウラル山脈で採掘されるものが最高級とされ、鮮やかな黄緑系の色合いはクロムに起因します。「デマントイド」はオランダ語で「ダイヤモンドに似た」という意味で、光の分散により生み出されるファイアーはダイヤモンドをも凌ぐと言われます。また、「ホーステイル」と呼ばれる毛状の内包物を持つのが特徴です。ウラル産の大粒は希少で市場にほとんど出回りません。
アウイナイト

他の宝石に類を見ない鮮烈なコバルトブルーのアウイナイト（アウイン）は、ドイツでしか産出されません。結晶としても大きいものはほとんどなく、産出量も少ない為、市場では大きくても0.5ct前後のものしかありません。同じ重量だと、時にダイヤモンドよりも高く取引されることがあるほどの希少石です。